『フローリングを貼る方向』なんてあなたは気にしたことはないでしょうね。
長手方向で貼ることで空間の奥行も表現できますので広く魅せることが可能になります。
新築ですと最初から作りますからどうとでもできるのですがリフォームだとそうもいかないケースがあるんです。これはあなたが知らないのは当たり前です。
リフォームするなら和室を洋室に変えたいのよね…
フローリングの向きを間違えると残念な仕上がりになりかねません!
業者さんに向きを確認してみるといいでしょう!
『新築だと当たり前のことがリフォームだと難しい』
なんてことがあるから不思議です。リフォームでフローリングの貼る方向を変えるには
一手間かけないといけません。ただ手間をかければできますのでご安心ください!
1.フローリングの下地について
リフォーム業をしていると様々な年代の建物をお手伝いさせていただくことになります。
1981年(昭和56年)以前の戸建住宅ですと下地合板を貼らずに根太に直接フローリングを貼っているケースもあります。いまはこの方法は取りません。
1-1 根太工法
写真のように根太を等間隔に敷設し、直行するように合板を施工します(捨て貼りとも言います)
根太と根太の間に断熱材を施工するのが一般的です。
『根太工法』はフローリングの向きに制約が出ます。冒頭に書きました通り『根太と直行』するようにフローリングを施工しないといけないからです。
1-2 根太レス工法
根太の下にある『大引』の上に合板(24㍉以上)を施工する方法です。大引の次に施工するはずの『根太』をなくしたので『根太レス工法』と言われています。
業界的には『根太レス工法』は『剛床工法』(ごうしょうこうほう)とも言われていて、水平剛性を高め『水平方向への変形に強い』という特徴を持っています。
もちろん『根太工法』でも『火打ち』と呼ばれる斜材を施工して水平方向への変形に対応可能です。
また、この工法は根太がありませんからフローリングの向きの制約がないのも特徴です。
ここまで書くと『根太工法』よりも『根太レス工法』の方がいいように聞こえるかもしれませんがそんなことはありません。
2.『根太レス工法』は新築向き
建物は基礎から順番に建てていきます。下から積み上げるイメージです。
リフォームは既存がありますのでフルスケルトン工事でもしない限りは『根太レス工法』の採用は難しくなります。
理由は『床の段差』の問題です。やりようはあるにはあるのですが手間がかかります。
例えばリビングは工事するとして廊下はそのままだとします。そうすると既存の廊下と『根太』をなくしたリビングとに『段差』がついてしまいます。根太がないぶん厚みが薄くなるということです。
根太工法であれば『根太の高さ』で調整すればいくらでもフラットにできます。
フルスケルトン工事であれば床面はすべてやり替える前提ですのでいかようにも対応可能です。
3.『根太レス工法』は床がたわむ可能性がある
大引と大引の間隔は通常910㍉(半間)ピッチになります。根太がないと910㍉間は合板だけで支えるのですから大引と大引の真ん中あたりは『たわんでいる』感覚になってしまいがちです。
要は『合板を厚くする』ことが出来ればそんなことはなくなりますが、先に書きました通り『床の高さ』の問題もありますし、費用の問題もあります。
『根太レス工法』は根太をなくすることで工程短縮、しいては費用削減も期待できる工法です。しかしリフォームには不向きという感じがしています。
4.『根太工法』でもフローリングの向きは変えられます!
そもそも、根太と直行ではなく平行にフローリングを貼るとどんな不具合があるかといいますと
床がたわむ可能性があります!
根太と直行させるとたわまないのはなんとなくイメージできるかと思います。平行に貼るとたわむのは剛床工法のデメリットと同じで大引以外にフローリングを支えるものがなくなるからです。
あと支える箇所が少ないので荷重が集中したわむだけでなく『床なり』のリスクも高くなります。
『床なり』とは一定の箇所を歩くと『ミシミシ』と音が鳴る現象を言います。たまに鳴るなら問題ないですが常に『ミシミシ』と鳴るようですと気になってしまいます。
『根太工法』でフローリングの向きを将来不具合がないようにリフォームで変える方法は『大引きの向きを変えてあげる』ことで実現することが出来ます。
ひと手間増えてしまいますが、将来の不具合を回避してフローリングの向きを変えるには大引工事までをキチンとすることが一番いいといえます。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
実はフローリングの向きを妥協すると『部屋の奥行感』『部屋の解放感』をロスすることにもつながり残念なリフォームになりかねません。
キチンと基本の『部屋の長手方向と平行』に貼ることが出来れば伸びやかな空間を実現できると思います。
しっかりと経験のある業者の担当者と出会えれば配慮してくれますから、まずは良い業者を探すことが先決かもしれません。
ただ、業者に依頼するにはお金も必要です。
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